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震災から15年 5年間の「記憶」明日の被災地へ 神戸映画資料館あすから上映(産経新聞)

 ■最大被害 長田区・野田北部を撮影

 阪神大震災で大きな被害がでた神戸市長田区、野田北部地区の惨状や、住民がまちを再生させていく様子を、約5年にわたり撮影した長編ドキュメンタリー映画「記憶のための連作『野田北部・鷹取の人々』」が、16〜19日までの4日間、神戸映画資料館(同市長田区)で上映される。全14部、上映時間は14時間半にのぼる大作だ。「地震直後だけじゃない。その後の長い時間も合わせて『震災』だということをわかってほしい」と映画監督、青池憲司さん(68)は話した。

 平成11年に完成後、英語版や中国語版も作られた。今回の上映会では震災直後の約1年間を撮った1〜6部と、地域住民の証言をまとめた14部の中から、1日4、5本ずつを上映する。16、17日には青池監督のトークショーも開かれる。

 千葉県市川市に住む青池監督が初めて野田北部に入ったのは震災から10日後。知人を心配したためだが、「被災地の惨状を肉眼で見て、言葉を失った」という。そんなとき、焼け落ちた家屋の跡から何かを探し出そうとする人の姿が印象に残った。「この姿を伝えたい」と住民からホームビデオのカメラを借りて1時間半撮ったのが最初だった。

 その後も住民の生活を2回、3回と撮影を続け、気が付けば、全14時間半の長編ドキュメンタリーができあがった。

 映画では、まちの惨状(1、2部)や、住民の証言や地区の再生をめぐって開かれた集会など(3部以降)が、ドキュメンタリー映画らしく、重く、静かに流れる。「住民がお互いの利害をさらけだすと、時に対立するが、議論の中からは新しい『力』が生まれる。新聞やテレビが報じる、節目と節目の“間”に住民たちがどう生きたのか−プロセスを知ってもらいたい」と青池監督はいう。

 間もなく震災からちょうど15年。この映画は、震災体験の風化が懸念されるなかで、最近上映自体が少なくなっていた。青池監督は映画を上映する意味について、「過去をノスタルジックに振り返るだけではなく、地震が起きた後どうすればいいのかを考える必要がある。“昨日の被災地”である神戸から、“明日の被災地”が学べることは多いはずだ」と訴えている。

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